2020.06.25

ブラジル大混乱で本田圭佑は大丈夫か。
再開→中止→また開催の裏事情

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 コロナウイルス感染拡大で中断を余儀なくされていたサッカーがいま、世界のあちこちで戻ってきている。ドイツ、スペイン、イタリア、イングランド......一抹の不安は残るものの、それらは明るいニュースとして伝えられている。しかし、ブラジルの場合は残念なことに、喜んではいられないのが現状だ。

 ブラジルでも6月18日にサッカーが再開された。リオデジャネイロ州リーグのバングー対フラメンゴ戦。3-0でフラメンゴが勝利した。しかし、この試合は多くの非難を呼び起こした。

リオデジャネイロ州で1試合だけ行なわれたバングー対フラメンゴ戦 photo by AFP/AFLO リーグを再開した他の国のほとんどはコロナの蔓延が落ち着きつつあるが、ブラジルはまだパンデミックの真っただ中である。感染者数は110万人を突破し、毎日500人以上が亡くなっている。

 試合はリオのサッカーの殿堂マラカナンスタジアムで行なわれたが、そこからほんの数100メートル離れた同じ敷地内には、病院で収容しきれなくなったコロナ患者を受け入れる施設がある。試合のあった日も、そこで2人の患者が亡くなっていた。ゴールを喜ぶすぐ横で、家族を亡くして泣いている人がいる。あまりにも非常識であると抗議が殺到し、結局、この1試合を開催しただけで、リーグはまたストップした。
 
 それにしても時期尚早なのが明らかなのに、なぜ試合再開をこれほど急いだのか。その裏には様々な思惑が渦巻いている。順を追って説明しよう。