名勝負と名物料理がある幸せ。
ユーロで目撃した「どんちゃん騒ぎ」 (6ページ目)
スペインを敵国とするならば、ポルトガルにとってイングランドは友好国となる。スペインがポルトガルに侵攻する(16世紀から17世紀にかけて、ポルトガルはスペインに併合されていた)と、イングランドがポルトガルに援軍を送ったこともある。「イングランドサポーターの皆様、ようこそ!」。そんな垂れ幕をリスボンの街中で見かけたものだ。
ダ・ルスで行なわれた準々決勝。両軍の観衆はセパレートされていなかった。入り乱れるように座っていた。偶然だったのか。友好ムードを演出する意図的な仕掛けだったのか、定かではないが、ユーロ2004屈指の名勝負は、こうした背景の中で生まれた。
延長PK戦に及んだ熱戦をポルトガルが制すると、大勢で箱乗りした車が、クラクションを鳴らしながらリスボンのリベルターデ大通りに繰り出した。スペイン戦のあとと同じように、界隈は明け方まで歓喜の渦に包まれた。その姿は2年前、韓国で繰り広げられたものと瓜ふたつ。筆者には完全に重なって見えた。
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