2020.05.19

異様な殺気、優雅な旅行。
アテネで体感したCLのふたつの顔

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 赤木真二●写真 photo by Akagi Shinji

追憶の欧州スタジアム紀行(7)
アテネオリンピックスタジアム(アテネ)

 アテネ五輪スタジアムでチャンピオンズリーグ(CL)決勝は過去に3回行なわれている。正確にはチャンピオンズカップの1回(1982-32シーズン、ハンブルガー1-0ユベントス)を含むが、2回のCL決勝を筆者はいずれも現地観戦している。

 そもそも、最初に出かけたCL決勝戦が、このアテネ五輪スタジアムだった。

2007年、チャンピオンズリーグ決勝が行なわれたアテネ五輪スタジアム 1993-94シーズン決勝、バルセロナ対ミラン。1994年5月18日、水曜日のことだった。下馬評で圧倒的優位に立っていたのはヨハン・クライフ監督率いるバルサ。試合前に配布されたプレスリリースに掲載されていた、識者100人の予想によれば、そのうち85人がバルサを推していた。

 バルサがそのシーズンの優勝を決めたのは、CL決勝戦のわずか4日前(5月14日、土曜日)。デポルティーボ・ラ・コルーニャを最終節で逆転する劇的な優勝だった。試合が終わったのは22時30分。優勝祝賀会は大いに盛り上がり、選手たちは朝方までどんちゃん騒ぎを繰り広げた。月曜日の夕方に集合した選手たちは、翌火曜日、アテネに向け出発。水曜日の試合に臨んだ。