異様な殺気、優雅な旅行。
アテネで体感したCLのふたつの顔 (4ページ目)
アテネの様子は2年前とはまるで違っていた。スタンドには異様なほど殺気が漲り、パナシナイコスのチームカラーである深緑グリーンがスタンドを埋め尽くす騒然とした光景に、薄気味悪さを覚えた記憶がある。
特別な場所で行なわれる1発勝負の決勝と、ホーム&アウェー戦の準決勝との違いを見た気がした。結果は0-3でアヤックス。パナシナイコスのサポーターは敗色が濃厚になっても、2年前のバルサのように、スタンドを後にしようとしなかった。スタンドの各所で爆裂音がとどろき、さらには火の粉も上がった。
怒りを露わに抵抗するファンがいた一方で、試合を終えロッカールームに引き上げようとする両軍選手に向けて、万雷の拍手も湧いた。隣に座っていた地元記者も、試合中は守備的サッカーに追い込まれたパナシナイコスに怒りを爆発させていたが、最後はファンと一緒になって手拍子を送り、健闘を讃えていた。
怒る者より、拍手を送る者の方が多かったぐらいだ。サポーターは負ければ、怒り悲しむものと、当時から概念として植え付けられていた、日本在住者である筆者には、このパナシナイコスサポーターの姿は、とりわけ新鮮だった。人間としてナチュラルな姿は、どちらかと言えばこちらになる。「ノーサイド」になれる人もいれば、なれない人もいる。アテネ五輪スタジアムには、その両方が混在していた。
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