欧州サッカーは驚きの高額放映権料。リーグ再開へプレッシャーの裏事情 (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO


 まず、世界で最も高額なテレビ放映権料とされるプレミアリーグは、スカイスポーツ、BTスポーツ、アマゾンが各契約条件に従ってライブ放送している国内分について、今季から3年総額55億3100万ユーロ(約6410億円)で契約している。

 さらに、国外分については3年総額51億2700万ユーロ(約5950億円)で販売契約を結んでおり、今シーズン(2019−2020)だけでも国内外合わせて36億200万円ユーロ(約4180億円)ものテレビ放映権収入を得ている(2020−2021以降は年間36億3500万ユーロ/約4219億円)。

 その結果、たとえばハダーズフィールドのような地方の小さなクラブでも、年間約1億2000万ユーロ(約139億円/2018年)ものテレビ放映権収入を手にしており、実に総収入の88%を占めている。それが逆に、今回の危機ではボトルネックになるという弊害が露呈した。

 この割合を50%以下に抑えているクラブは、いわゆる「トップ6」のクラブのみ。エバートンでさえ69%に及んでいるのだから、いかにテレビ放映権収入が各クラブの生命線になっているかがわかる。

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