中井卓大の将来性に現地紙も高評価。レアルの「工場」は男を育てる (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

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 レアル・マドリードの下部組織は、「ラ・ファブリカ」(工場)と呼ばれるが、その伝統は継承されるのか――。

 そして、ラ・ファブリカにはひとりの日本人選手がいる。

 中井卓大(16歳)は、9歳からラ・ファブリカで過ごす日本人MFである。現在はフベニルCに在籍。フベニル(ユース)を年代順に三つに分け、その一番下だ。

「レアル・マドリードの下部組織で最も将来性豊かな20人」

 スペイン大手スポーツ紙『マルカ』は、その企画記事で、中井を20人のひとりに選んでいる。

「ロベルト・ロドリゲス監督が磨き上げる原石。中盤に君臨し、チームにプレークオリティとビジョンで貢献できる。今も成長を続けている」

『マルカ』の評価は高い。"ピピ"の愛称を持つ中井は、"中盤の将軍"のようなプレーを見せる。長短のパスを使い分け、ボールを落ち着かせ、動かし、プレーの渦を作る。かつてレアル・マドリードに在籍したシャビ・アロンソに近いMFだろうか。

 まだ線は細く、ゲーム終盤にプレー精度が落ちるのは課題だろう。しかし、着実にカテゴリーを上がっているだけでもすばらしいことだ。ラ・ファブリカは各国の有望な若手を常にスカウティングし、選手をふるいにかけ、入れ替える。昇格するのも簡単ではない。

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