2020.04.11

久保建英はマドリディスモの歴史に
名を残すか。レアルは世代交代が急務

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

レアル・マドリード王者の品格10

 レアル・マドリードとバルセロナ。常に比較される両クラブだが、なにもかもが違う。

レアル・マドリードへの復帰の可能性もある久保建英(マジョルカ) レアル・マドリードには、バルサがマドリードに対して抱くようなコンプレックスが、ほとんどない。敵愾心は強いが、被害者意識はなく、むしろ高圧的である。その不遜さは、中央政府のバックアップを受けていた歴史的な成り立ちと関係しているのかもしれない。

 また、レアル・マドリードは、バルサのようなクラブとしての一貫したプレースタイルを持っていない。世界最高レベルの選手を集め、マドリディスモ(マドリード主義)に従い、死力を尽くして戦わせる。それはプレーモデルというよりも、信仰心に近いかもしれない。枠に収まらず、臨機応変に戦って勝利することができるのが、彼らのスタイルだ。

 下部組織においても、バルサがボールプレーヤーにこだわり、その鍛錬を続けるのとは一線を画している。あえて言えば、どんなクラブでも、どんなスタイルでも、自らの技を出し、生き残れる人材を育成する。フィジカルもメンタルも強い選手を選り抜き、鍛え上げる。プレーコンセプトが、集団よりも個人に立脚しているのだ。