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ユーロ1年延期即決の裏事情。
UEFAが迅速に動いた背景を読み解く (6ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 現状、UEFAはラウンド16の未消化4試合を終えたあと、準々決勝以降は一発勝負のトーナメント方式で「ファイナル8」、もしくはどちらかのホームで一発勝負の準々決勝を行なったあとに「ファイナル4」を決勝戦開催地で行なう案を用意している。だが、それも状況次第では変更せざるを得なくなる。

 また、2018-2019シーズンからスタートした偶数年開催のネーションズリーグ(代表チームによる昇降格付きのリーグ戦)についても調整が必要だ。2021年夏にユーロが開催されることになったため、同年6月に行なう予定だった「ファイナル4」をいつ開催するか、という問題もクリアしなければならない。

 また、ネーションズリーグの成績はW杯ヨーロッパ予選にもリンクしているため、そのレギュレーションに手を加えなければいけない可能性も残されている。

 そして何よりも心配されるのは、このように膨張を続けるサッカー界のなかで、複雑かつ超過密な試合スケジュールを強いられる選手の問題だ。少なくともユーロの延期によって、来年と再来年のカレンダーにしわ寄せがいくことは必至で、新クラブW杯が2020年の夏に開催される場合は、多くの選手が不休を強いられることになるだろう。

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