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バルサ&レアルにワクワク感が喪失。
メッシ頼みや見えない新機軸 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

 サイドの選手がサイドバック(SB)しかいないので、相手にサイドを突かれると、4人が最終ラインにべったり並びやすい、概念的には守備的と言われる布陣だ。SBをいかに活かすか。SBが活躍した方が勝ちと言われる現代サッカーの流れからは外れた布陣で、プレッシングが浸透したブラジルでも、ほとんど見かけなくなっている。

 この前時代的なサッカーで、キケ・セティエン監督はクラシコの大一番に臨んだ。少なくとも、全世界に向けていいサッカーを発信しようとの意気込みは伝わってこなかった。

 いいサッカーをしても、勝たなければ何も始まらない――とよく言われるが、それはクライフの思想とは180度異なるものだ。今回のバルサはそのうえ試合にも敗れた。いいサッカーをすることもできなければ、試合に勝つこともできなかった。救いのないサッカーとはこのことである。

"メッシ頼みのサッカー"。ひと言でいえばそうなるが、肝心のリオネル・メッシの力は顕著に低下している。このクラシコでも2、3度あった決定機で、頼りない動きを見せていた。だがその事実を、声を大に指摘する人はいない。言い出しにくい話になっている。

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