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データ上、クルトワはリアルSGGK。
しかし数字は、ときに嘘をつく  (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

 CL決勝トーナメント1回戦。バルセロナは第1戦でナポリと1-1と引き分けている。この試合のベストプレーヤーは、エースのリオネル・メッシでも、得点者のアントワーヌ・グリーズマンでもなかった。ドイツ代表GKマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンで決まりだろう。

 前半、テア・シュテーゲンはロレンツォ・インシーニェのカットインからのシュートを浴びている。ディフェンダーに隠れ、処理は難しかったが、確実に防いだ。後半には、神がかったセービングを見せる。セルヒオ・ブスケッツが自陣でパスミス、カウンターを浴び、エリア内のホセ・カジェホンがフリーでパスを受けた。するとテア・シュテーゲンは瞬時に距離を縮め、シュートをブロック。ボールに寄せる速度は出色だった。

 さらに言えば、テア・シュテーゲンはリベロのようにボールをつないで、攻撃の起点になっていた。縦パスを入れ、一気にマークを外す。そのレベルに達したGKは存在しない。

 テア・シュテーゲンは「世界最高GK」のひとりだろう。

 ところが、数値では「平凡なGK」となる。エリア外セービング率は83.3%。これは悪い数字ではないが、クルトワには及ばない。そしてエリア内セービング率は54%と、かなり落ちるのだ。

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