今季CLはビッグクラブが盤石。パリ、バルサ、ユーベが好調な要因は? (3ページ目)
中山 たしかに今季のトゥヘルは、昨季までのようにネイマールを過保護にはしていないですね。また、昨季は後半戦に失速した点を反省してか、今季の前半戦は手綱を緩めたまま戦って、ようやくチームを締め始めた印象を受けます。
それと、サポーターから批判を浴びていたネイマールについても、エムバペが溶け込みやすい状況をつくってくれているので、チームに軋轢も見当たりません。しかも仲よしふたりのコンビプレーが以前にも増して異次元のレベルに進化していて、試合のなかでふたりだけで打開することがよくあります。周りを使えばもっと楽に崩せるシーンでも、ふたりだけで難しい方法でゴールに結びつけてしまう。僕はそのシーンを「ふたりの世界」と言っていますが、あのふたりにしかわからないフィーリングがCL制覇のための最大の武器になると見ています。
倉敷 あのふたりが揃えば何でもできそうですね、小澤さん。ドルトムントはどう戦うべきでしょうか。
小澤 ドルトムントのサッカーで言うと、前提条件としてボールを保持しないと厳しいと思うので、パリ相手となるとなかなか難しいでしょう。ユルゲン・クロップ監督時代のようなゲーゲンプレスをかけるわけでもないですし、以前と比べると普通のチームになってしまったような印象です。おそらく攻撃的に戦って、それで負けるなら仕方ないと割り切ってくるのではないでしょうか。
倉敷 グループステージは8得点8失点で2位通過のドルトムント。やり繰り上手な成績ですが、ルシアン・ファブレ監督のサイクルは終わりに近づいていると報じるドイツメディアも少なからずあります。パリはここ数シーズン、ノックアウトラウンドのステージでコロっと負けていますが、さすがに今季は大丈夫ではないかと。
中山 ええ。過去2シーズンはネイマールがケガでこの時期に戦線を離脱して、それが敗因のひとつとなりましたが、さすがに3年連続でそれはないと思います。もしそんなことが起こったらサポーターから大ブーイングを浴びてしまいますし、チームを出て行く時に何を言われるかわかりません(笑)。
<グリーズマンがフィットしてきたバルセロナも調子が上向き>
倉敷 では、次はナポリ対バルセロナに話を移しましょう。小澤さん、両チーム共に監督が替わりましたね。まずナポリから触れてください。
小澤 ナポリの監督がカルロ・アンチェロッティからジェンナーロ・ガットゥーゾに交替してしまったので未知数なところはありますが、バルサ優勢は動かないでしょう。相手に合わせて策を用意できるアンチェロッティと比較して、ガットゥーゾが効果的なバルサ対策を練ってくるとは思えないので、バルサからすると戦いやすくなったのではないでしょうか。
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