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CLラウンド16のビッグマッチの注目点を
欧州サッカーの達人が分析! (7ページ目)

  • photo by Getty Images

中山 そのなかで、ロングカウンターや得意のセットプレーで1点をもぎ取って逃げ切るというのもアリですね。ゴールマウスはヤン・オブラクが守ってくれるので心配ないですし。

倉敷 グループステージで2ゴールをマークした選手が、ジョアン・フェリックスとモラタの2人しかいないアトレティコですからね。なるほど、中盤に4枚のボランチを並べてリバプールが最も嫌がることをするというのは興味深いです。

中山 シメオネは守備だけでは限界があると感じて、ここ数年は攻撃のバリエーションを増やすべくそれなりにお金を使って攻撃の駒を増やしてきましたが、最終的には前回王者を前にして原点回帰するというのも、シメオネらしいですよね。とはいえ、番狂わせを起こすためには、ホームで戦う第1戦を引き分け以上で終えないと厳しいでしょう。

倉敷 常連アトレティコは、CLで優勝を狙うチームにとって越えなければならない大きな壁という存在です。番狂わせが起こる可能性を秘めた一戦ですね。

 次はチェルシー対バイエルンです。7割くらいの確率でバイエルンが勝ち上がりそうな気がしますが、中山さんはいかがですか?

<監督が替わって好転のバイエルン。ミュラー&レバンドフスキのホットラインに注目>

中山 僕も同じです。たしかにフランク・ランパード監督は、世代交代を進めながらプレミアでも予想以上の成績を収めていますが、バイエルンと比べると選手の経験値で劣ってしまいます。CLの決勝トーナメントは、監督も含めたチームの経験値が重要な要素になるので、順当にいけばバイエルンが勝ち上がると思います。

 もっとも、そのバイエルンもニコ・コバチ監督が解任され、アシスタントコーチだったハンス=ディーター・フリックが新監督に就任しているので、監督の経験値という点ではほぼ互角と見ていますが。

小澤 バイエルンは監督が替わって、以前よりもよくなった印象があります。

倉敷 よくなりましたね。フリックはコバチが監督をしている時からすでにベンチにいて、コバチをいつ見限っても大丈夫なようにフロントの意向で準備をさせていたのだろう、というのがドイツメディアの見方です。

 何がいちばん機能するようになったか、それはトーマス・ミュラーです。コバチはミュラーとうまくいっていなかった。関係修復の絶好の機会が訪れても使わなかった。使わなくても勝っていれば問題はなかったのでしょうが、そうはいかなかった。そして、フリックに替わってからミュラーは毎試合起用され、チームは安定を取り戻した。彼はアシスト能力が高くて、そのうち半分くらいがロベルト・レバンドフスキの得点に結びついています。すばらしいホットラインが復活したことによって、1試合1ゴールが確実に保証されているチームに戻った印象です。

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