伊藤達哉、欧州で早4年。ドリブル練習は注意されても「やめなかった」

  • 佐久間秀実●取材・文 text by Sakuma Hidemi

 育成年代を柏レイソルユースで過ごし、高校卒業後の2015年にハンブルガーSV(ドイツ)に入団した伊藤達哉。U-19、U-23のチームでプレーしたのち、2017-2018シーズンはトップチームデビューを果たした。

 昨年の8月にベルギーのシント・トロイデンに移籍し、現在はレギュラー奪取を目指している。東京五輪世代の注目選手でもある伊藤は、自らの現在地をどう捉えているのか。

シント・トロイデンで欧州4年目のシーズンを送る伊藤 ©STVVシント・トロイデンで欧州4年目のシーズンを送る伊藤 ©STVV――現在、何を課題にプレーしていますか?

「今は、出場機会をどうやったら増やせるか(1月15日時点で今季は4試合に出場)を考えながらやっています。取り組んでいるのは、シュートの精度や、得点やアシストに直結するプレーの質を高めること。それはドイツでプレーしていた時からの課題でもありますけどね」

――伊藤選手の最大の武器はドリブルですが、どのように技術を磨いてきたんですか?

「柏レイソルユース時代は、チーム練習が終わったあともドリブル練習をしていました。上島拓巳選手(柏レイソル)など、背が高くてうまい先輩たちを誘って、1対1の練習をやり続けていましたね。監督やコーチに『パスやシュートの練習をしろ』とよく言われましたが、僕も意地になってドリブルの練習をやめなかった。それが自分の武器につながったので、結果的にはよかったと思っています」

――そのような自分の意思を貫く姿勢は、今でも変わらないのでしょうか?

「そうですね。ドイツにいた時も、『自分の意見を言えないとダメだ』と思っていたので、もちろん話は聞くけど、『思っていることはちゃんと言おう』と決めていました」

――ドリブルは、どのような状況で仕掛けるのが得意ですか?

「左サイドから斜めに、相手に向かっていくのが得意ですね。中にいくか、縦にいくか。ドリブルで相手を抜く時はその2択です。スペースをカバーされちゃうとスピードを殺さなければいけませんが、味方にそのスペースを作ってもらい、ある程度の間合いに入ったら抜ける自信はあります。だから、そういう状況を作ってもらったのに、相手を抜き切れなかった時がどんなミスよりも悔しいですね」

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