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森岡亮太「本当に完璧でした」。
遊び心あるプレーでファンを魅了 (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO



 それでもシャルルロワでは、10番のポジションにいるよりボランチでプレーするほうがボールタッチが増える分、自身のリズムが作りやすいという。最近6試合で5勝1分けという好調シャルルロワを、中盤の底から森岡が支えている。

 対戦相手のシント・トロイデンには、GKシュミット・ダニエルとFW鈴木優磨がいた。前節のオイペン戦ではFW豊川雄太が途中から出てきた。現在、ベルギー1部リーグには10人もの日本人選手がいる。ベルギーリーグで日本人対決は、今や毎週当たり前のように行なわれている。

 3シーズン前、森岡はポーランドからベルギーにやって来て、ワースラント・ベフェレンでセンセーションを起こした。その時、ベルギーリーグの日本人プレーヤーはゲントの久保裕也しかいなかった。

 もちろん、過去には川島永嗣(リールセ、スタンダール・リエージュ)という偉大な先人もいた。だが、シャープなドリブルからゴールを量産した久保と、多彩なテクニックでベルギー人を虜にした森岡は、ベルギーリーグにおける日本人フィールドプレーヤーの市場を作ったパイオニア的存在と言えるだろう。そしてその後、冨安健洋(シント・トロイデン→ボローニャ)と鎌田大地(シント・トロイデン→フランクフルトにレンタルバック)が、さらに日本人プレーヤーの価値を高めた。

「裕也がパイオニアですよ。僕もそうですが、彼の活躍にうまいこと乗っかって日本人の評価が上がっているのは間違いないと思います。それはすごく、いいことだと思います」

 森岡はシャルルロワで、もうひとつ違った大きな価値を示していると思う。アンデルレヒトからシャルルロワへの移籍は、本人が思い描いていた未来像とは違ったはずだ。しかし今、森岡は主力プレーヤーとしてベルギー中堅クラブを引っ張っており、もう一度、ステップアップを狙えるステータスを得ている。

 今も昔も、長くヨーロッパでプレーし続けている日本人選手は、例外なく(移籍のみならずレギュラー争いの不条理やケガも含めて)苦悩の時期を経験している。森岡も今、それを克服しつつあるのではないだろうか。

「個人的には上に行きたいし、行くつもりなので、がんばります」

 短く簡潔に、きっぱりと森岡は言った。

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