2019.11.27

C L強豪対決はドロー。優勢だった
レアルが終盤に混乱した要因とは

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 チャンピオンズリーグ(CL)のグループリーグ第5節。A組のレアル・マドリード対パリ・サンジェルマン(PSG)は、90分+アディショナルタイムがあっという間に経過した、優勝候補同士の対戦に相応しいハイレベルな一戦となった。

 立ち上がりからペースを握ったのはホームのレアル・マドリード。先月、久保建英が所属するマジョルカに敗れたチームとは思えぬ高級なプレーを見せつけた。

PSG戦で2ゴールを決めたレアル・マドリードのカリム・ベンゼマ スタメンにはイスコの名前があった。国内リーグの試合には時々出場しているが、CL出場は今季初。若手のヴィニシウス・ジュニオール(19歳)、ロドリゴ・ゴエス(18歳)を抑え、エデン・アザール(左)とカリム・ベンゼマ(中央)とともに、右ウイングとしてFWの一角を占めたかに見えた。

 しかし、彼は以前からそうであるように、サイドに居心地のよさを見出せないタイプだ。そこがアザールとの違いでもあるが、気がつけば内に入り込み、トップ下あるいはインサイドハーフ的なポジションを取っていた。

 しかしこの日、レアル・マドリードの右サイドがサイドバック(SB)のダニエル・カルバハル1人になることはなかった。4-3-3の右インサイドハーフとして先発したフェデリコ・バルベルデが外寄りのポジションを取り、カルバハルの前方をカバーしたからだ。

 ルカ・モドリッチではなく、ウルグアイ代表の21歳をジネディーヌ・ジダン監督が先発起用した理由は、イスコの先発出場とセットになっていたと思われる。イスコとモドリッチが近距離で構えれば、お互いのよさは相殺される。と同時に、右サイドに穴ができる。そこで数的不利を招く。

 試合をレアル・マドリードが優勢に進めた理由は、イスコと同時にバルベルデも活躍したからだ。それを象徴するようなシーンが17分に挙げた先制点のシーンだ。

 まず、アザールが光った。左ウイングの位置でボールを受けると、相手の守備的MFマルキーニョスの激しいマークを、身体をローリングさせるように反転させながらかわすと、右で構えるバルベルデに展開した。その背後を走るカルバハルにいったんボールを預けたバルベルデは、その前方をそのまま走り、鼻先でリターンパスをもらう。