2019.11.23

低迷ドイツ代表が王座奪還へ採用。
メッシを育てた「フニーニョ」とは

  • 鈴木達朗●文 text by Suzuki Tatsuro
  • photo by Getty Images

 何かを変えなければならない――。

 11月17日のベラルーシ戦に勝利して、EURO2020の出場を決めたドイツ代表。だが国内では、2018年ロシアW杯の早期敗退を受けて、変化を求める声が挙がるようになっている。トーマス・ミュラー、マッツ・フンメルス、そしてジェローム・ボアテングといった2014年ブラジルワールドカップ優勝の功労者たちを代表から外し、世代交代を積極的に進めようとしているものの、昨年新しく始まったネーションズリーグではフランス代表やオランダ代表に1勝もできなかった。現在のFIFA世界ランキングでは16位まで後退している。

2020年のユーロ出場を決めたドイツ代表チーム ヨアヒム・レーヴ監督交代を期待する世論の声も高まる一方で、『キッカー』のような専門誌ではドイツ国内の育成に関する疑問を定期的に投げかけている。

 フランス、イングランド、スペイン、ベルギーやポルトガルと言った国々から10代のうちにチャンピオンズリーグでプレーしたり、数十億円で移籍するような選手が次々と出てくる一方、ドイツ人でそういった選手はそれほど多くはない。目立つところでは、レバークーゼンのカイ・ハフェルツぐらいだろう。欧州のマーケットでは、逆にブンデスリーガのクラブも、そういった海外の若手選手を積極的に獲得する側に回っていることを懸念しているのだ。

 2017年にU-18ドイツ代表監督を努めていたマイケル・シェーンバイツも、対戦したスペインと比べながら、「1対1で自信を持って仕掛けられる選手がいない」と指摘していた。こういった状況のなか、本格的に導入が検討されたのが3対3のミニゲームをベースとした『フニーニョ』である。

 フニーニョとは、提唱者のホルスト・ヴァインによる造語で英語の”Fun(楽しむ)”とスペイン語の”Nino(子ども)”を組み合わせた造語だ、縦35m、横25mのフィールドに、各チームに2つずつのゴールを設置。ペナルティーエリアの代わりに、ゴール前6mをシュートゾーンとして区切ったエリアが設けられている。このなかで3対3を行なうのだ。