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バルサが青田買いに血眼になる理由。
日本の17歳もターゲットに

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Reuter/AFLO

 チャンピオンズリーグ(CL)グループリーグ第3節。バルセロナはアウエーで開始早々にリオネル・メッシが得点し、1-2とスラビア・プラハに勝利した。下馬評どおり、グループ首位を走っている。

 しかし、取り巻く状況は不穏なムードに包まれている。

「悪戦苦闘」

 地元紙『エル・ムンド・デポルティーボ』はスラビア・プラハ戦後に見出しを打ち、不安点を列挙している。序盤はプレー強度の高さを見せたものの、その後は失速。プレースピードは停滞し、守備は脆さを露呈した。また、チームは同節で最も走行距離が少なく、フィジカル面でも後手を踏んでいたことを伝えている(これについては最も走ったレバークーゼンが凡庸な試合でアトレティコ・マドリードに敗れているし、必ずしも不調の原因とは言えないが)。

勝利は重ねているが「不調」と言われるバルセロナのリオネル・メッシ勝利は重ねているが「不調」と言われるバルセロナのリオネル・メッシ「自分たちのプレーを見つめ返すべき時だ」

 チームの不調をゴールキーピングで救い続けているマルク=アンドレ・テア・シュテーゲンは、警鐘を鳴らしている。今シーズンは勝利を収めながらも、凡戦が続く。ドイツ人守護神がいなかったら、今シーズンは"惨事"になっていたゲームが少なくない。最強を誇った攻撃は散発で、守備はまるで裸城のようだ。

「このままでは、欧州王者になんてなれるわけない!」

 スラビア・プラハ戦後のロッカールームでは、戦い方に議論が噴出したと言われる。メッシを擁するバルサは失墜しつつあるのか?

『エル・ムンド・デポルティーボ』は、クラブ関係者がリベルタドーレス杯を視察し、フラメンゴのセンターバック、ロドリゴ・カイオと、グレミオのFWエヴェルトンに食指を動かしている事実をスクープしている。カイオは今年1月にも契約内定までいっただけに、驚くには値しない。2人のブラジル人は実力者でもある。

 懸念は、バルセロナが外国人選手獲得で問題を解決しようとしている姿勢にあるだろう。

 今シーズンはすでにアントワーヌ・グリーズマン、フレンキー・デ・ヨングの2人を、大金で獲得している。2人は世界標準の選手であるが、有力選手が増えるたび、バルサはバルサらしさを失いつつある。ここ数年は、大金を支払って選手を獲得しても、適応できないケースばかりだ。

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