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CL優勝を狙うパリとユーベに、
この先必要な進化とは? (3ページ目)

  • photo by Getty Images

中山 そうなんです。それだけに、トゥヘルは昨季の失敗から何かを学び、シーズン前半戦は鞭を入れずに戦おうとしているのではないかと。

倉敷 小澤さんは今季のパリをどう見ていますか?

小澤 ここまではMCNがいないほうが機能しているように見えますし、本来トゥヘルはこういうサッカーをやりたいんだろうなと思って見ています。3人が戻ってきた時には、トゥヘルは一歩引いて、自分が出すぎず、ある程度彼ら3人に自由を与えてピッチに送り出している印象を受けますしね。

 そうなったとき、本当に監督としてそれでいいのかという疑問があります。少なくとも、いまはアンヘル・ディ・マリア、サラビア、イカルディが機能していて、なおかつサイドバックのトーマス・ムニエとフアン・ベルナトが効果的なプレーをできているので、しばらくこのチームでどこまでやれるのか見てみたいとは思います。選手の自由度はMCNほど高くないですが、規律と狙いがはっきりとありますし、相手にとっては非常にやっかいなポジショナル・プレー、厚みのある攻撃を実践しています。そこに後方からゲイェが絡んでくる、マルコ・ヴェッラッティがさばきを見せる、となると相手にとってはとてもやっかいです。

倉敷 中盤にはゲイェ、ヴェッラッティ、マルキーニョス。センターバックもプレスネル・キンペンベとチアゴ・シウバ。それでキーパーがナバスなわけですから、何の問題もないですね。悩ましいのは贅沢な前線だけ!

小澤 そういう意味でも、戦力的には優勝候補と見ています。

倉敷 間違いなく優勝候補ですが、でも毎度「なぜ?」の負け方をしてしまうのがパリ。昨季もまたマンチェスター・ユナイテッド戦でいつもの逆転負けを喫し、負の歴史を重ねました。もはやトラウマなのでは?

中山 結局、今季最大の見どころはネイマールが後半戦の大事なときにピッチに立っていられるかどうかでしょうね。過去2年は大事な時にネイマールが負傷してしまい、フロントの投資に対する費用対効果は最低ランクだったわけです。そのネイマールが残留した以上、今季こそフルメンバーでCLベスト8の壁に挑戦して、何らかの結論を出さないといけません。

倉敷 リバプールのように攻撃は前の3人で担当してもらって、後ろがガッチリ守るという方法で十分に優勝を狙えそうな気もしますが、トゥヘルはあまりそういうスタイルを好まないでしょうからね。

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