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武藤嘉紀、「世界一のチーム」
リバプールの強さを実感して脱帽 (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 加えて、ブルース監督は戦術の引き出しが多いようには見えず、「引いて守ってカウンター」しか策がない。最前線の1トップはロングボールを収める技術が必要になり、長身FWのジョエリントンの高さを軸にするしかないのが現状だ。

 武藤としては、第2節まで採用していた2トップシステムに活路を見出したいところ。だが、第3節のトッテナム戦以降は1トップで戦っており、2トップの採用は限定的だ。そのなかで武藤は、チームの勝利に貢献しながら、与えられた時間のなかでいかに結果を出すか――。言葉にするのは簡単だが、実際のハードルは高いように映る。

 それでも、武藤は気丈に話して前を向いた。

「サイドだと得点の確率は減ると思いますけど、そうであってもゴールを決めたり、アシストしないと状況は変わらない。監督としてはたぶん、僕のことは前(=CF)で考えていると思う。でも、今日の相手だったら、『5−4−1でしっかりと守る』戦術だった。前にひとりだけ置いて、あとはみんなで守るって感じなので。

 そのフォーメションになると(自分は)難しい。自分としてはプラスではないですけど、それをどうこう言うつもりはない。それがチームだし、監督が求める場所でプレーするのが選手なので。そのなかで点を獲っていかないといけない」

 次戦の相手は、グレアム・ポッター監督の就任で攻撃サッカーに舵を切ったブライトン。相手の後方部にスペースが生まれることが予想され、出番が回ってくれば武藤にも得点チャンスが出てくるだろう。

 しかも、1勝3敗1分のニューカッスルは、9月15日時点で暫定17位に沈んでいる。ブライトン戦後はレスター・シティ戦、マンチェスター・ユナイテッド戦と難しいゲームが続くだけに、ここで勝ち点3がどうしてもほしい。

「絶対に勝たないといけない。だからこそ、自分の得点で勝てれば一番です」

 自分自身に言い聞かせるように、27歳FWは力強く言い切った。

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