ロナウドの後継者は移籍金150億円。
19歳ジョアン・フェリックスの実力 (2ページ目)
真骨頂は、一瞬で敵の裏をかくプレーにあるだろう。相手の重心をずらしながら、その逆方向へ、ボールをずらし、すり抜ける。パスコースを見抜き、そこに速いボールを通す技術も必見だ。一瞬にして流れを変えられる、魔法の杖を振るようだ。
「俺が現役でプレーしていたら、まず踏みつけて黙らせるよ。そうすれば、勢いは収まる。(ジョアン・フェリックスは)おとなしくなるはずさ」
元ポルトガル代表DFで、ユベントスやデポルティボ・ラコルーニャで活躍したジョルジェ・アンドラーデはこうコメントした。だが、これが炎上騒ぎに発展。それだけ注目の存在と言えるだろう。
1億2000万ユーロ(約156億円)。それがジョアン・フェリックスに設定された移籍金である。アトレティコ・マドリード、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッドなどのビッグクラブが、こぞって獲得を狙っている。
「自分は身体的に強いわけではない。だからいつも頭を使って、よりいいポジションを取ることを心がけた。いつも先のプレーを読んでね。自分はおとなしい性格だと思う。でも、ゴールして勝つと自信になるし、めちゃくちゃ楽しいんだ!」
ジョアン・フェリックスはあどけなさの残る顔で、本性を垣間見せる。勝負に対し、物怖じするところはない。
少年時代は、「華奢」であることを理由にプレーを断られたこともあったが、力に頼らなかったことで、ありあまる技術と予測力を磨くことができた。ボールをどのように叩けば、回転が起こり、曲がって、速度が出て、相手が嫌がるか――。それを知り尽くしているように映る。
「ジョアンは一流の選手だよ。すべてのシュートがゴールになる感覚がある。いつも冷静で、とんでもない決定力だ」
ベンフィカのスペイン人DF、アレハンドロ・グリマルドの言葉である。
19歳のルーキーは、点取り屋としても希有な才能も持っている。実像は、本人が憧れる元ブラジル代表FWカカに近いか。トップスピードに乗りながら、視界を得て、足を振れる。
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