堂安律、オランダ2年目の成長。「プレーオフの4試合で5点獲る」 (2ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 VVVフェンロの会長を務めていたハイ・ベルデンさんが、「日本人選手はいきなりビッグクラブに行くより、VVVのような小さなクラブで欧州のキャリアをスタートするほうがいいんだ」と言っていた。

 プロのサッカー選手であれば、パフォーマンスが上がらなかったり、結果を出さなければ批判される。それはVVVでも同じことだが、「ビッグクラブは、そのプレッシャーがVVVの比ではない。VVVなら試合に出続けることができるし、ミスは許されるし、欧州のサッカーを学んだり馴染んだりする時間がいっぱいある」と、ベルデンさんは常々言っていた。

 本田圭佑や吉田麻也は、いいときも悪いときもVVVで試合に出続けて、それを糧にステップアップしていった。

 ベルデンさんの言葉を思い起こすと、たしかに堂安にとってフローニンゲンは理想的な環境なのだと感じる。

 アジアカップからオランダに戻ってきた直後のフィテッセ戦から10試合、ゴールもアシストも決めることのできなかった堂安に対し、「先発から外れるか!?」という声はあったし、批判も少しはあった。それでも、堂安に対しても、彼を起用し続けるバイス監督に対しても、過度なプレッシャーがかかることはなかった。

 フォルトゥナ戦の堂安のスーパーゴールは、チャンスが生まれる予感もなかった"無"の状態から決めたものだった。まるで左足が斧になったような、切れ味の鋭い一発だった。「なるほど、堂安がピッチにいれば、こういうことも生まれるんだ」。そう納得するような、規格外のゴールだった。

 しかし、後半戦で数字を残せなかったのも事実。エメン戦後、そのことを踏まえて今季を振り返ってもらった。

「そうですね。でも、シーズンはまだ終わってませんので、今、そこを振り返るのは駄目だと思います。(プレーオフの)4試合で5点獲れば、ふたケタに届く。そのぐらいの気持ちでやりたいと思います」

 レギュラーシーズンを8位で終えたフローニンゲンは、プレーオフを経由して、ヨーロッパリーグ行きのチケットを掴む可能性が残されている。チームとしても、堂安個人としても、高みを目指すためにプレーオフでの活躍を期待したい。

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