2019.05.01

「ニュータイプ」メッシはバルサをCL優勝に導くか?

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蹴球最前線──ワールドフットボール観戦術── vol.64

 サッカーの試合実況で日本随一のキャリアを持つ倉敷保雄、サッカージャーナリスト、サッカー中継の解説者として長年フットボールシーンを取材し続ける中山淳、スペインでの取材経験を活かし、現地情報、試合分析に定評のある小澤一郎――。この企画では、経験豊富な達人3人が語り合います。今回のテーマは引き続き欧州CLの準々決勝レビューと準決勝プレビュー。4シーズンぶりの制覇を目指すバルセロナと、まだまだ進化をし続けるメッシに迫ります。

――前回に続き、お三方にはチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝を振り返っていただきつつ、準決勝を展望していただきたいと思います。今回は、事実上の決勝戦とも言われているバルセロナ対リバプールについてお願いします。このカードの第1戦は5月1日(日本時間2日早朝)にバルセロナのホーム、カンプ・ノウで行なわれますが、まずは両チームの勝ち上がりについてレビューしていただけたらと思います。

倉敷 まずマンチェスター・ユナイテッドと対戦したバルセロナの準々決勝は、アウェーでの初戦に0-1で勝利し、ホームでの第2戦も3-0。トータルスコア4-0とバルサが完勝して準決勝に駒を進めました。現地で取材した小澤さんは、この2試合をどのように見ていましたか?

今シーズンもゴールを量産しているメッシ小澤 まずオールド・トラッフォードでの第1戦については、ユナイテッドの5バックが機能していたと思います。というのも、通常5枚にすると後ろを重くするので前の人数を削ることになるわけですけど、その試合ではマーカス・ラッシュフォードとロメル・ルカクの2トップを、バルサのセンターバック2枚、ジェラール・ピケとクレメン・ラングレに当ててきたので、バルサとしてはビルドアップの自由が制限されていた印象を受けました。

 ただ、そういうなかでも、バルサはCLモードのリオネル・メッシとルイス・スアレスが序盤から相手のディフェンスラインの背後にスプリントを仕掛けていきました。前半12分のルーク・ショーのオウンゴールの場面も、セルヒオ・ブスケツからのループ気味のパスをメッシがディフェンスの背後で受けたところから生まれたものでした。

 バルサとしては中盤にパスを出すところがなかったため、仕方なく相手DFラインの背後のスペースを使うべくメッシやスアレスのスプリントに頼った格好ですが、ユナイテッドが前からハメてくるなかで、そういった別の手で得点できたところが、バルサの勝因になったと思います。

 その後は、前半30分ぐらいにメッシがクリス・スモーリングとの接触で出血してから消えてしまった印象もありましたし、追加点が生まれそうな雰囲気はなかったですね。ユナイテッドは負けましたけど、全体的にはよく戦ったと見ています。

中山 第1戦のユナイテッドは中盤の選手、とくにスコット・マクトミネイとフレッジがよかったですよね。小澤さんが言うように、ユナイテッドはその時点でできることをすべて出せていたと思います。ただ、それでもバルサには及ばなかった。そういう意味では、あの試合のパフォーマンスが現在のユナイテッドのマックス値だった、ということにもなりますが。