CL注目の同国対決で激論。有利なのはシティかトッテナムか? (4ページ目)
中山 攻撃力は確実にアップしていますよね。デレ・アリも復帰し、ケイン、ソン・フンミン、ルーカス・モウラ、エリクセン、エリク・ラメラ、フェルナンド・ジョレンテと、前線はかなりの選手層を誇っています。
倉敷 では、それらを踏まえて、おふたりはこのカードをどう予想されますか。
中山 打ち合いになったらシティ、競り合いになったらスパーズに軍配が上がるのではないでしょうか。これまでの戦いを見ると、シティは4-3-3のアンカーの位置にイルカイ・ギュンドアンとフェルナンジーニョを使い分けています。比較的実力差のある相手と戦うときはギュンドアンを、インテンシティの高い大一番ではフェルナンジーニョを起用する傾向があります。
その法則でいくと、このスパーズ戦はフェルナンジーニョの可能性が高いと思われますが、今シーズンもフェルナンジーニョの調子があまりよくなくて、彼のミスから失点につながってしまうようなケースが目につきます。とくにポチェッティーノ監督は、シティの嫌がる戦術を練ってくるはずなので、フェルナンジーニョのところを狙ってくる可能性はかなり高いと思います。いずれにしても、もしペップがギュンドアンを起用したとしても、スパーズはシティのアンカーを潰して、ショートカウンターを狙ってくるでしょう。
逆に、シティはボールを支配して、早い時間帯で先制することが重要になると思います。幸いエースのセルヒオ・アグエロは好調をキープしていますし、ベルナルド・シウバ、レロイ・サネ、ラヒーム・スターリングなど、スピードとテクニックのある攻撃陣が大柄なスパーズDF陣を混乱させることができれば、大量ゴールで勝利する可能性も十分にあるでしょう。もっとも、個人的にはこの試合が大味な展開になる確率は低いと見ていますが。
小澤 基本的にシティがボールを保持して前進し、敵陣でフットボールをする展開となるでしょうし、それに対してスパーズは粘り強く守りから入ってくるでしょう。スパーズは5バックで来る予想を持っていますが、引いて守るための5バックの場合、中盤とのライン間をコンパクトに締める点で若干戦術的課題があります。そこをシティがどう攻略するのか。やはりダビド・シルバ、ベルナルド・シウバ、ケビン・デ・ブライネあたりのライン間でのポジショニング、プレーが効果的な選手たちに注目です。
あとは、中山さんがおっしゃるとおり、シティはアンカーをどうするかでしょう。僕もフェルナンジーニョだとは思っていますが、相手に引かれた展開の場合の配給面では物足りないですし、ギュンドアンはそこで違いを見せる選手ですがケイン、ソン・フンミンが待ち構えるスパーズのカウンターをうまく処理する点で課題がある。グアルディオラ監督がどう考えてくるのか、アンカーの選手起用や交代策は見ものですね。
4 / 5