2019.04.05

闘将シメオネ、神通力の限界か。
A・マドリードが岐路に立っている

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 アトレティコ・マドリードを率いて8年目となる今シーズン、ディエゴ・シメオネ監督が岐路に立たされている。

 就任1年目にしてヨーロッパリーグ(EL)で優勝し、2年目でUEFAスーパー杯とスペイン国王杯に優勝。3年目はひとつの集大成として、リーガ・エスパニョーラ優勝、チャンピオンズリーグ(CL)でも準優勝に輝いた。

 4年目もスペインスーパー杯で優勝、5年目はCL準優勝。6年目は無冠だったが、CLはベスト4まで進み、7年目はCLで敗退するも、ELで再び優勝を果たした。

 ところが8年目の今シーズンは、すでに国王杯、CLでともに敗退。CLラウンド16でのユベントス戦の逆転負け(第1戦の2-0の勝利を、第2戦で合計2-3にひっくり返された)は衝撃が走った。”狂信的な”ファンに支えられるシメオネ体制も、「5年が限界だった」と、一部で疑念が生じたほどだ。

激しいアクションで選手に檄を飛ばすアトレティコ・マドリードのディエゴ・シメオネ監督「我々の本質は闘争にある」

 そう語るシメオネは、華麗さを求めずに結果を重んじて戦ってきた。相手を圧倒するプレッシング、敵を寄せ付けないリトリート、そして敵を奈落の底に突き落とすカウンター。効率的な戦闘集団として、栄光に浴してきた。

 4月6日、バルセロナとの首位攻防戦は乾坤一擲(けんこんいってき)の一戦となる。勝ち点は8ポイント差。厳しい状況ではあるが、勝てば望みはつながる。

 はたして、シメオネ・アトレティコは限界なのか――。

 ユベントスに敗れた後のリーガ第28節、アトレティコはアスレティック・ビルバオ戦も敵地で2-0と完敗している。試合後、記者が厳しい質問を投げた。