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レアル新監督はまさかのジダン。
一度は拒否した復帰ドラマの舞台裏 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

「ジダンはすでにノーと答えた」

 レアル・マドリード系のスポーツ紙『as』は、元会長のラモン・カルデロンの証言を引用し、そう伝えていた。

 現実的な有力候補として浮上したのが、マンチェスター・ユナイテッドの監督を解任され、フリーのジョゼ・モウリーニョだった。

「ジョゼップ・グアルディオラのバルセロナ最強時代、レアル・マドリードの誇りを保てたのはモウリーニョのおかげだ」

 ペレスはそう言って、モウリーニョを高く評価していた。一方のモウリーニョも、まんざらな様子でもなく、熱いラブコールを送った。「守備的でつまらないし、常に傲慢、喧嘩腰で品がない」と批判されることもあるモウリーニョだが、ジダン以外では彼しかいなかっただろう。

「一番、実現性が高いのはモウリーニョ」

 前出の『as』も、そう見解を伝えていたほどだ。

 しかし急転直下、ジダンの再任が発表された。ペレス会長は「忠誠」を復帰の理由に挙げているが、表には出ない交渉のプロセスで、落としどころがあったのかもしれない。いずれにせよ、すべてを納得させる監督はジダンしかいなかった。

 レアル・マドリードは常勝を求められるクラブだが、なにより選手のマネジメント力が求められる。ロペテギもソラーリも、"スター選手のエゴ"に足もとをすくわれた。この点でジダンは天才的だった。クリスティアーノ・ロナウドをも手なずけ、リーダーとして君臨した。

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