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レアル新監督はまさかのジダン。
一度は拒否した復帰ドラマの舞台裏 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

「ペレス会長がジダンに見切りをつけ、次期監督を探し、マウリシオ・ポチェッティーノ監督に接触。クリスティアーノ・ロナウド売却も独断で決定した。これにジダンの堪忍袋の緒が切れ、辞任を突きつけたのではないか」

 そんな噂も飛び交ったが、ジダン本人はあくまでその理由を「疲労」と「変化が必要だった」と主張している。ともあれ、辞任の衝撃は嵐の始まりになった。

 ペレス会長はジダンの後釜として、スペイン代表の監督だったフレン・ロペテギを"強奪"。これは世論の批判を受ける。ロシアW杯の開幕2日前に代表監督更迭という波乱を巻き起こしたからだ。

 ところがペレスは、成績不振を理由に、ロペテギを3カ月で解任する。

 後任に決まったソラーリは、ヴィニシウス・ジュニオール、セルヒオ・レギロン、マルコス・ジョレンテ、アルバロ・オドリオソラなど若手を積極的に登用。一定の成果を出している。クラブW杯でも優勝を果たした。

 しかし一方で、マルセロ、イスコ、ガレス・ベイルなどスター選手たちと対立する。あからさまな反発で、求心力は低下した。一丸となって戦える状況ではなかった。

 だが、6割近いファンは、「今シーズンの混乱の責任はペレス会長にある」と、アンケートに回答している。

 ペレス会長としては、自らの名誉挽回が急務だった。そこで、再びジダンと接触。連れ戻すための画策を始めた。ただ、ジダンはユベントス、パリ・サンジェルマン、チェルシーなどから引く手あまたで、決別したペレスのもとに1年も経たずに戻るのか、大いに疑問だった。

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