レアル新監督はまさかのジダン。一度は拒否した復帰ドラマの舞台裏
3月11日20時(現地時間)、マドリード市内にあるサンティアゴ・ベルナベウで、記者会見が行なわれた。
「ここに戻ってこられてうれしい」
ジネディーヌ・ジダンが、9カ月ぶりにレアル・マドリードの監督に復帰することを発表した。
レアル・マドリード監督への復帰を発表するジネディーヌ・ジダン サンティアゴ・ソラーリ監督の率いるレアル・マドリードは3月、暴風雨の中にあった。スペイン国王杯準決勝で仇敵バルセロナに膝を屈して敗退。リーガ・エスパニョーラでもお膝元サンティアゴ・ベルナベウでバルサに敗れ、優勝は絶望的になった。そして、欧州チャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16ではやはり本拠地でアヤックスに1-4と大敗し、姿を消した。欧州4連覇の夢は無残に散った。
この緊急事態に、欧州3連覇の覇業を達成したジダンが戻ってきたのだ。
「(辞任を発表したときは)マドリードがすべてのタイトルを取り尽くし、何らかの変化が必要だった。私自身も、休息を求めていた。あの時はそれが必要だったし、決断に後悔はない。しかし、(フロレンティーノ・ペレス)会長からの電話があって、戻ることを決めた。他のクラブからもオファーは受けていたが、このクラブに背を向けることはできなかった」
辞任後もマドリードで暮らしていたジダンは、その決意を語っている。世界最強クラブの交代劇の顛末とは――。
まずは、今シーズンの「混乱」の発端を明らかにすべきだろう。
昨シーズン終了直後だった。ジダンは突然の辞任を発表した。
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