乾貴士のアラベス移籍は正解。活躍が期待できる根拠は多数あり (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 日本サッカーとの相性は悪くない。それはバスク人が日本人と同じように規律を守り、協調性を重んじるからかもしれない。ハビエル・アスカルゴルタ(元横浜マリノス監督)、フリオ・サリナス(元横浜マリノス)、チキ・ベギリスタイン(元浦和レッズ)、ミゲル・アンヘル・ロティーナ(セレッソ大阪監督)、そしてフアン・マヌエル(ファンマ)・リージョ(ヴィッセル神戸監督)など、日本で活躍する新旧のスペイン人も、バスク人が多い。

「日本人は真面目で教養があって、住みやすい国だった」

 かつてアスカルゴルタはこう語っていたが、バスク人にとっても親しみが湧くのだろう。

 乾が以前に所属していたエイバルも、誇り高きバスクのクラブだった。そのバスクでは、未だに乾への評価は高い。エイバルでは、子どもたちから一番人気のあるスター選手だった。

 新天地となるアラベスは、日本人サイドアタッカーの力を強く求めている。

 今シーズン、アベラルド監督率いるアラベスは、前半戦のサプライズになった。開幕後19試合は9勝5分4敗。攻守に安定した戦い方で欧州カップ出場権内をキープし、首位争いすら演じていた。

 ところが、攻撃のエースを務めていたイバイ・ゴメスが、古巣のアスレティック・ビルバオへ移籍。これで一気に失速した。直近の4試合は勝ち星がなく、3連敗(無得点)が続いている。

「イバイはとても重要な選手だった。ピッチの内でも外でもリーダーだった。しかし、彼はもうこのチームにはいない」

 2月3日、第22節レアル・マドリード戦に3-0で完敗した後、アベラルドは語っている。

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