2019.02.07

シント・トロイデン6人目の刺客。
190cmの木下康介とは何者だ?

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 ベルギーリーグ第23節のアンデルレヒト戦で、オイペンの豊川雄太は相手のCBに封じ込まれ、ほとんどボールに触ることなく試合を終えてしまった(結果は1-2でオイペンの敗戦)。「試合のなかで孤立している。悔しいです」。何もできなかった自分の不甲斐なさを、豊川は素直に語ってくれた。

スウェーデン2部で昨季13ゴールを記録した木下康介 しかし、2月3日に行なわれた第24節シント・トロイデン戦での豊川は、アンデルレヒト戦とは別人のようにフリーとなってパスを受け続け、9分には先制ゴールを記録した。この1週間、しっかり課題と向き合ってきたことが、ひと目でわかるパフォーマンスだった。

 ただ、シント・トロイデンの鎌田大地に同点弾を許すと守備陣が崩壊し、オイペンは1-4で大敗を喫してしまう。これで6位ゲント(勝ち点38)と10位オイペン(勝ち点28)の勝ち点差は10と広がり、事実上、プレーオフ1出場の夢は断たれてしまった。

「ダメだなあ……。1点獲っただけじゃ足りないということですよ。でも個人的には、今日の自分はよかったと思います。たくさんボールに触ることができました。今週、(クロード・)マケレレ監督やコーチとボールの引き出し方について個人トレーニングをしたんです。1週間でこれだけいい感じにできたので、手応えはあります。これから、徹底的に身体に染み込ませたい」

 マケレレ監督から豊川は、「今のオイペンでは、君がしっかり起点にならないといけない」と言われているという。相手のMFとDFの間に生まれるスペースに降り、味方のパスを引き出し、相手CBを釣り出して裏を狙う……そんなイメージだ。

「自分の得点シーンが、そういう形でした」

 CBシーベ・ブロンデッレからフィードを引き出した豊川は、左サイドハーフのシェイク・ケイタにパスをすると、すぐさま相手DFラインの裏へと走り込んだ。そして、ケイタのシュートがバーに当たったときには、豊川はシント・トロイデンのゴール前で完全にフリーになっていたのだ。一見”ごっつぁんゴール”のようだが、この一連の流れには1週間の積み重ねが凝縮されていた。