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乾貴士のアラベス移籍は正解。
活躍が期待できる根拠は多数あり (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 そのイバイの代役として期待されるのが、乾なのである。

 アベラルドはシステム的には4-4-2を採用し、古典的な"同足サイドアタッカー"を用いることを好む。同足とは、右サイドなら右利き、左サイドなら左利きを指す。サイドを崩し、2トップにクロスやラストパスを供給する役割だ(現代サッカーではカットインしてシュート、パスをする"逆足サイドアタッカー"が好まれる)。

 ロシアW杯での記憶も新しいが、右利きの乾は左サイドで逆足でのプレーを得意としている。もっともエイバル時代は右サイドの同足でもプレーしており、苦とはしない。時間帯に応じて、サイドを変えながらのプレーも考えられるし、とにかくサイドを崩す能力は折り紙付きだ。

「乾は私が好きなタイプの選手。ボールポゼッションを高め、縦への強度を上げてくれるからね」

 アベラルド監督もそう語って、期待を込める。

「リーガでのプレー経験が長いから、順応も早いだろう。技術的には申し分ない。エイバルでは左サイドでプレーすることが多かったが、さまざまな経験を積んでおり、右サイドでも適応できるはずだ」

 イバイが移籍した後のチームで、乾は新エースになれるか――。

 楽観できる要素は少なくない。アラベスでチーム最多得点のFWボルハ・バストンは、2015-16シーズンにエイバルでともにプレーした攻撃のパートナーだ(最近は不発で、レアル・マドリード戦はベンチからも外れていたが)。チームとしてのプレーコンセプトも、エイバル時代と似ている。乾の持ち味を出せる環境だ。

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