2019.01.23

フェイクニュースにあらず。バルサが
悪童・ボアテングを獲得した理由

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by MarcaMedia/AFLO

 1月21日、バルセロナはセリエA・サッスオーロの元ガーナ代表FW、ケビン・プリンス・ボアテング(31)を、今シーズン終了までの期限付き移籍で獲得したことを発表した。レンタル料は100万ユーロ(約1億3000万円)で、買い取りのオプションは800万ユーロ(約10億4000万円)。セビージャに放出した元スペイン代表FWムニル・エル・ハッダディの穴を埋めるように、空き番になった背番号19を与えている。

「めっちゃ、いい気分だぜ。サッスオーロにもいい仲間がいたから寂しい気持ちになったけど、こんなチャンスは滅多にない。バルセロナなら飛行機じゃなくて、走って来たかった。すげぇハッピーだ」

 ボアテングは入団会見で、その気持ちを率直に表している。
 
1月22日、バルセロナへの入団会見に臨んだケビン・プリンス・ボアテング もっともこの移籍劇は、少なからずメディアにもファンにも驚きをもたらした。当初は、「フェイクニュースではないか」という疑いが出たほどだった。なぜなら、ボアテングは過去10シーズンで、10チームを渡り歩いた選手。飽きっぽく、規律が守れず、しばしば問題を起こし、とにかく”悪童”という印象が強い。

 独特の感性を持つアタッカーで、ダイナミックなプレーはセールスポイントと言えるが、そのプレーは継続性に欠ける。今シーズン、サッスオーロでも13試合出場4得点と、特筆すべき成績は残していない。

「ルイス・スアレスのサブ」

 それを命題に掲げ、バルサは強化に奔走していた。アルバロ・モラタ(チェルシー)、フェルナンド・ジョレンテ(トッテナム)、クリスティアン・ストゥアーニ(ジローナ)、カルロス・ベラ(ロサンゼルス)ら、有力FWの名前が候補に挙がっていた。その結果、選んだのはボアテングというサプライズカードだった。