格差の残るアジア杯を見て考える。アジアと世界の距離は縮まったか (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 だが、大会の質を上げるという意味で言えば、完全に逆効果。むしろ出場国数を絞り、強豪国同士の対戦を増やしたほうが、試合の質は高まり、出場国にとってもレベルアップにつながるはずだ。それほどに、「強豪国」と「それ以外」では大きな力の差がある。それが、今大会のグループリーグを見ていての印象だ。

「強豪国」を具体的に挙げるとすれば、昨年のW杯に出場した国、すなわち、日本、韓国、オーストラリア、サウジアラビア、イランに、カタール、イラク、ウズベキスタンを加えた8カ国、というところだろうか。枠を少し広めに取っても、UAE、ヨルダンまでだろう。

 確かに底上げはなされている。だが、それをすなわち、アジアのレベルアップと称していいのだろうか。一部の国を除けば、世界との距離は、むしろ離れているのではないか。

 4年に一度の大会で、力関係に変化が見えないアジアの勢力図を目の当たりにし、正直、ガッカリしている。

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