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ネイマールを丸裸にする。
市場価値ナンバー1の知られざる素顔 (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 貧しい家庭で生まれ育ったネイマールは、5歳の頃から、学校ではなく、ピッチですべてを学んできた。11歳ですでにビッグチームに移籍し、12歳でレアル・マドリードに注目され、16歳でプロ契約をしたネイマールには、いわゆる普通の常識と触れ合う機会がなかった。彼の価値観は、サッカーの世界の持つ混沌そのものだ。普通に学校を出て会社勤めをしている人間とは、見える世界が違う。世間の人にとっての普通は、彼にとっては普通ではない。

 私は自分に問いかけた。いったいネイマールのことを、遠い日本の読者にどう説明したらいいだろうか。いったいどこから始めようか。スポルティーバの読者の皆さんに、ネットで簡単に検索できる以上のネイマールをどう伝えようか。

 彼を理解する唯一の手段は、ネイマールという人間すべてを知ることだろう。そうでなければ、ネイマールの真意を理解することはできない。ピッチの中の彼だけを見てネイマールを語ることはできない。金、スキャンダル、諍い、サプライズ......。ネイマールに関してのニュースは毎週もたらされ、それらがとても興味深いものであることは確かだ。良くも悪くも、ネイマールは人を惹きつける。

 ネイマールすでに9歳にして有名人だった。誰もが彼の後を追った。それは彼にスター選手になるポテンシャルがあったからだ。

 14歳ですでにサントスFCのスターだったが、2006年にレアル・マドリードが彼を練習に招待し、"ガラクティコス(銀河系軍団)"のブラジル人選手たち、ロビーニョ、ロナウド、ロベルト・カルロスらとともにプレーさせた。ネイマールの潜在能力を見て、レアルは5700万ドル(当時の為替レートで約68億円)をサントスに提示した。

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