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プレミア前半戦終了→三つ巴のV争い。
クロップから「予言」も飛び出る (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 そのマンチェスター・Cを鼻差の1ポイント差で交わし、2位に躍り出たのがトッテナム・ホットスパーだ。プレミアリーグ開始以来、初となる「補強選手ゼロ」で夏の移籍市場を終えたチームには、厳しい視線が向けられていた。

 ところが、マウリシオ・ポチェッティーノ監督は複数のフォーメーションを使い分けることで戦い方の幅を広げて、チームを進化させた。サラーと並んで2位タイの得点を挙げたFWハリー・ケイン、目の覚めるようなドリブル突破と力強いシュートで躍動しているMFソン・フンミンの活躍も目立つが、最大の功労者はこのポチェッティーノ監督にほかならない。

 マンチェスター・Uの次期監督として就任が噂されるポチェッティーノ監督は、12月15日に行なわれたバーンリー戦の勝利で「プレミア100勝」を成し遂げた。この記録は「トッテナムのみ」でカウントされたもので、単独クラブではプレミア史上3番目の速さで到達した(169試合で100勝)。

 ちなみに、1位はチェルシー1次政権のジョゼ・モウリーニョが記録した142試合、2位はマンチェスター・Uのアレックス・ファーガソンの162試合であり、4位にアーセナルのアーセン・ベンゲルの179試合が続く。46歳のアルゼンチン人指揮官は、「名将」への階段を着実に登っていると言えよう。

 1位のリバプールから3位のマンチェスター・Cまで、勝ち点差はわずか7ポイントだ。マンチェスター・Cが独走体勢を築いた昨シーズンに比べても、競争は激しさが増している。英BBC放送が「リーグ優勝はこの3チームに絞られた」と伝えたように、三つ巴の優勝争いが繰り広げられそうだ。

 とはいえ、各クラブが潤沢な資金を持つプレミアリーグでは、下位クラブとの試合であってもけっして油断ならない。イージーゲームのない厳しさを考えると、マウリツィオ・サッリ監督のもと、ポゼッションベースの魅せるサッカーで勝ち点を重ねる4位チェルシーも、頂点に立つのは難しいとしても、上位3チームとの差を縮めてリーグ戦を盛り上げるかもしれない

 予言めいたように、クロップ監督は言う。「優勝チームが決まるのは、リーグ最終節だ――」。はたして、プレミアリーグが最終節を迎える5月に笑うのはどこか。

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