遅刻魔だけどすごいヤツ。デンベレ問題で
バルサの管理力が問われている (3ページ目)
そう語っているのは、かつてバルセロナであらゆるタイトルを勝ち取ったフランク・ライカールト監督である。
「いい選手は人格的にも優れていることが多いが、同時にしばしば複雑な性格の持ち主だったりする。そして、変わり者や偏屈な選手こそ、チームが勝ち続けるには必要な部分がある。人間としていい性格であることは、決して悪いことではない。でも、監督はそれを絶対的な価値にしてはならないだろう。素直で従順な選手だけでは、厳しい戦いを勝ち抜けないからね。チームはいろいろな性格の持ち主がいて、お互いが補い合い、それぞれが融合することでうまくいく。その集団を束ねるのが、リーダーである監督なんだ」
デンベレのように、精神的には未熟だが、才能としては世界最高に近づくことができる選手を、どう用いるのか――。それは、チームとして大きな挑戦になる。使い方によっては、大きな爆発を起こせるはずだ。
デンベレの行動を道徳的に糾弾するのは容易い。しかし、どうやって彼の力を引き出すのか。単に見捨てるだけではない人材マネジメントが、タイトル獲得に必要な大きなエネルギーを生み出すのだ。
12月16日。レバンテ戦のデンベレは、お灸が効いたのか。右サイドで献身的な守備を見せ、高い評価を与えられている。リオネル・メッシとのパス交換からのドリブルでは、圧倒的なスピードを使い、相手を退場に追い込む突破も見せた。
「デンベレが世界でもっとも相手のバランスを崩せる選手のひとりであることは間違いない。だからこそ、彼はバルサにいるのだ」
バルセロナを率いるエルネスト・バルベルデ監督の言葉である。
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