2018.12.19

南米サッカーの神髄!スーペル・クラシコの魅力を達人たちが語り合う

  • photo by Nakashima Daisuke

倉敷 箱が変わっても南米は南米でしたね。少なくともフィールドの中は。亘さんとは長い付き合いのテベスが、アジアを含めた各国を渡り歩いたあとボカに戻り、かつてディエゴ・マラドーナやフアン・ロマン・リケルメが背負っていたような「ボカならこうだろ」というすべてのボケンセを叱咤激励するような存在になっていました。ここは南米らしい。

 ただ、いつまでも南米は南米でいられるでしょうか? そもそもコパ・リベルタドーレスはスペインを中心とした宗主国からの独立を目指して戦ったシモン・ボリバルやホセ・デ・サン=マルティンといった指導者の独立運動を称えようと始まったわけです。それがよりによってスペインの首都で開催というのは、単に時代の流れで済ませていいのかなと疑問に思います。

 他にもドーハ、パリ、サンパウロ、バルセロナなど経済力のある都市が代替地として名乗りを上げていましたし、アルゼンチン国内で開催する案もありました。でも結局、コンメボルは言語や飛行機移動、スペイン国内で暮らすアルゼンチン人の数、ベルナベウのキャパシティなどを考慮し決定したと発表しました。スペインが国家として安全面を保証する約束をしたことも大きかったでしょう。なによりユーロ通貨でもらえる収入が大きいことはわかります。でも、やっぱり釈然としない。箱が変わっても南米は南米らしくあり続けることができるのか? 亘さんに、そこを伺いたいです。

 箱が変わっても、中身はやっぱり南米らしいサッカーでしたから、そこは大丈夫だと思います。しかも、普通はタイトルをかけた決勝戦は引いて守ってカウンターを狙うという試合が多いと思いますが、今回の決勝戦はその前にダービーマッチだった。リベルタドーレスの決勝である前に、ボカ対リーベルだったということなのだと思います。その結果、どちらも胸を張って戦わないとサポーターから何を言われるか分からないから、開始から全員が戦う。それをしなければサポーターは怒るし、負けた時には「お前ら、腰抜けのサッカーをしやがって!」と、怒鳴られることは目に見えていますから。だから両監督は大変だったと思います。

倉敷 お互いにアウェーチームのサポーターは入場できないのがルールですから、第2戦を見られたボカのインチャ(熱狂的サポーター)は幸運だった部分もあるでしょうね、でもボンボネーラにあったものがベルナベウにはなかったと僕は感じました。それはスタジアムの熱狂です。

 クラブの歴史上でもっとも重要なダービーマッチのひとつを落としたボカのインチャはもう顔を上げているでしょうか。リーベルはかつて降格したときの屈辱から解放されたでしょうか。リベルタドーレス決勝がかつての旧宗主国スペインのマドリードでの一発勝負になった影響は今後、どう出てくるでしょうか。おそらくこの話題はこれからも度々ことあるごとに引用される事件だと思います。

 まだまだ伝えたいことがありますので、次回はこの決勝戦を開催するにあたっての一連の騒動と、そこで見えたアルゼンチンのサポーター文化について話を進めたいと思います。

倉敷保雄さん、中山淳さん、小澤一郎さんのユニット「コンペロータ」が

イベントを開催します。

テーマはチャンピオンズリーグ決勝トーナメント展望!

12/27(木)19:00から場所は水道橋。 ゲストは南米サッカーの達人・亘崇嗣さん!

https://radiofoot2.peatix.com/view

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