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南米サッカーの神髄!スーペル・クラシコの魅力を達人たちが語り合う (4ページ目)

  • photo by Nakashima Daisuke

 両チームの力の差が出ましたね。それと、試合内容としては、ヨーロッパで行なわれながらも、しっかり南米らしい部分が出ていたと思いますし、どちらも開始から危険なシーンをたくさん作っていた印象があります。最近は南米でもポゼッション率といったスタッツが出るようになりましたが、そういう数値には現れない面白さがつまっていたと思いますし、リーベルの方が危険な縦パスをたくさん入れていたと思います。

 もちろんボカは延長戦でウィルマール・バリオスが退場してしまったことが大きな痛手となったわけですが、リーベルはその弱みをしっかりと突き、盤石なゲーム運びをできていたと感じます。

中山 この試合でもっとも印象深く感じたのは、サッカーのプリミティブな部分、サッカーは戦いなんだというところが前面に出た南米らしい試合だったということでした。場所はサンチャゴ・ベルナベウでしたが、普段我々がそこで見ているラ・リーガやチャンピオンズリーグとまったく違っていて、この両チームのダービーマッチは場所を変えて開催しても「スーペル・クラシコ」、今回で言えば「メガ・クラシコ」になってしまうんだと、正直、度肝を抜かされてしまいました。

 そんなこともあって、ヨーロッパの試合を見る時と違い、戦術やシステム云々ではなく、サッカーの試合の原型というか、お互いがその戦いに勝つために何をしようとしているのかという部分を堪能させてもらいました。僕は一度だけリベルタドーレスの決勝を現地取材したことがあるのですが、今回の試合を見て、以前グレミオとボカの決勝戦を見たときの興奮や、あのときのスタジアム全体が醸し出していた危険な雰囲気を思い出してしまいました。

小澤 僕も普段は南米の試合を見る機会が少ないのですごく新鮮でした。ヨーロッパのトレンドで見ると、たとえばハイプレスはしていないといった話になるかもしれませんが、そこは度外視して、両チームがサッカーの肝の部分をわかったうえでサプレーしていると感じました。要するに、もっともやられたくないところを消していて、だからハイプレスをかけなくても、ボールが入ってきたところのスペースを消してボールを奪い、そこから速く攻めるということを、両チームともしっかり実戦できていたと思います。

 だからこそ、ダリオ・ベネデット(ボカ)やルーカス・プラット(リーベル)のようなセンターフォワードがいると思いますし、実際に彼らが活躍する土壌があるのだと思います。また、亘さんからリーベル優位だったという情報をあらためて聞くと、途中出場でフアン・フェルナンド・キンテロが出てくるリーベルの方が、やはり力が上だったのだと感じます。ボカは後半終了間際に万全ではなかったフェルナンド・ガゴを送り込まざるを得なかった点も含めて、最後は退場者を出してしまい満身創痍になってしまったのでしょう。僕も、最終的にリーベルの実力が出た試合になったと思います。

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