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中島翔哉の思いはシンプル。「サッカーを楽しんで、より成長したい」 (3ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 9分の先制点のアシストについては、「ポルトのCBふたりは強いけど、人数も足りていなかったし、フリーの選手がいたので、いい形でシュートになるようなパスを意識しました。瞬間の判断で、自然に」と話した。そして気になる移籍報道に関する質問には、次のように答えている。

「次に行くチームでもサッカーを楽しんで、より成長したいです。家族、チーム、代理人とも話しますけど、最後に決めるのは自分自身。(冬の移籍も視野に?)ウィンドウが開けば、誰もが考えることかな、と思います。でもまずはサッカーを楽しむのが大事です」

 もしかしたら、彼の心はすでに決まっているのかもしれない。純粋なサッカー少年が高いレベルを求めて、世界一のリーグを目指す。シンプルだ。

 ただし中島がこの1年半でポルトガルに大きな足跡を刻んだのも間違いない。1年目の昨季は10得点12アシスト。今季はここまで5得点5アシストで、9月の最優秀選手にも輝いている。だからこそ、さらなる高みへの道が拓けたのだ。

 取材を終えた後、スタジアムの外に出ると雨は止んでいた。そこからほど近い地下鉄の駅に向かう途中、ポルトのシャツを着た若者たちに、「ナカジーマ!」と声をかけられた。日本代表の10番は、ポルトガル北部の名門クラブのファンにもまちがいなく認められている。

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