2018.12.10

名門モナコが迷走中。
名将解任後にアンリを招聘も降格圏に沈む

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 パリ・サンジェルマン(PSG)の独走ぶりに注目が集まる今シーズンのリーグ・アンだが、もうひとつネガティブな意味で脚光を浴びているチームがある。シーズン途中の10月13日に自身初の経験となるトップチームの監督を引き受けた、元フランス代表ティエリ・アンリが率いるモナコである。

モナコを率いることになったティエリ・アンリ新監督の力量はいかに? 現在のモナコの順位は、なんと降格圏内の18位(第16節終了時点)。3シーズン連続出場中のチャンピオンズリーグでも1分4敗と、最終節を待たずして最下位が決定するなど、これ以上ないというほど大不振にあえいでいるのだ。

 2011年12月にロシア人ディミトリー・リボロフレフ現会長が筆頭株主となり、当時リーグ・ドゥに低迷していたモナコの立て直しに成功して以来、順風満帆な時代を過ごしていたはずのモナコに、いったい何が起こっているのか?

 開幕前に、今シーズンもPSGの対抗馬として最有力と見られていたモナコがこのような状況に陥ると予想した人は誰もいなかった。2年前、PSGのリーグ5連覇を阻んで17シーズンぶりのリーグ・アン優勝を果たしたうえ、チャンピオンズリーグの舞台でPSGを上回るベスト4に進出して欧州を席巻した頃を遠い昔話のように感じているのは、おそらくモガネスク(モナコ人)だけではないはずだ。

 振り返れば、悲劇的とも言える負の連鎖は、シーズン開幕前から始まっていた。

 まず、昨シーズンまで重要な戦力だったキャプテンのMFファビーニョ(リバプール)をはじめ、MFトマ・レマル(アトレティコ・マドリード)、FMジョアン・モウティーニョ(ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ)、FWアダマ・ディアカビ(ハダースフィールド・タウン)、MFラシド・ゲザル(レスター・シティ)といった面々がチームを去ったことが挙げられるだろう。