2018.12.09

アトレティコはCL優勝の可能性十分。シメオネ采配が巧みすぎる

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蹴球最前線──ワールドフットボール観戦術── vol.47

 サッカーの試合実況で日本随一のキャリアを持つ倉敷保雄、サッカージャーナリスト、サッカー中継の解説者として長年フットボールシーンを取材し続ける中山淳、スペインでの取材経験を活かし、現地情報、試合分析に定評のある小澤一郎――。この企画では、経験豊富なサッカー通の達人3人が語り合います。連載一覧はこちら>>

――今回は、第5節を終えた時点でチャンピオンズリーグのグループステージ突破を決めている12チームの中から、優勝候補にも挙がっているアトレティコ・マドリーの強さについてお三方に分析をお願いできればと思います。

倉敷 小澤さん、相変わらずディエゴ・シメオネ監督の采配は巧みですね。

アトレティコを率いるディエゴ・シメオネ監督

小澤 そうですね。11月はディフェンスラインにケガ人が続出してしまって、とくにセンターバックが4人とも戦線離脱するという事態に陥りましたが、それでもなんとかバルセロナ戦(11月24日)にステファン・サヴィッチとリュカ・エルナンデスが間に合って、1-1のドローに持ち込むことができました。そういったことも含めて、やはり今シーズンは選手層が厚くなっている印象がありますね。

 それに、今シーズンのチャンピオンズリーグ決勝はワンダ・メトロポリターノ(エスタディオ・メトロポリターノ=アトレティコのホームスタジアム)で開催されますし、しかも昨シーズンはグループリーグ敗退という屈辱を味わっていますから、クラブとしてもかなり力が入っていると思います。

 もちろん第3節のアウェーでのドルトムント戦の大敗(4-0)はショッキングなもので、チームにはかなりの落胆もありましたが、折返しの第4節、ホームでドルトムントに2-0で勝ったことが大きかった。それと、このグループではモナコが残念なことになってしまったので、そこもアトレティコにとっては助かった部分になったと思っています。

中山 たしかに。モナコは故障者が続出していたうえに、何を血迷ったのかフロントが近年の功績者であるレオナルド・ジャルディム監督を解任し、監督経験のないティエリー・アンリを招へいするという暴挙に出たことで、一段と迷走してしまいましたからね。リーグ戦でも残留争いをしていますし、チャンピオンズリーグは勝敗を無視して若手選手が経験を積む場所になってしまいました。このグループが2強2弱になった最大の要因ですね。