香川真司はどこへ行く?
「スペイン移籍願望」表明で広がる懸念 (2ページ目)
香川は、指揮官ルシアン・ファブレの構想に合わなかったというよりも、流れに乗り遅れた。当初、ドルトムントは単に若返り路線を模索しているように見え、1989年生まれの香川が弾かれてしまうのは不運の感があった。だが、時がたつにつれて、決して年齢だけがファブレ監督の判断材料でないことは明確になってきた。
たしかに香川と同じ2列目は、生きのいい若手がひしめいている。2000年生まれのジェイドン・サンチョはイングランドの未来を担う人材であろうし、2015~16シーズン終盤から活躍するクリスチャン・プリシッチは98年生まれ。ボランチのモハメド・ダウドは96年生まれで、今季の注目株ヤコブ・ブルン・ラーセンは98年生まれだ。
だが、指揮官が信頼するMFアクセル・ヴィッツェルも、香川とポジションがかぶるマルコ・ロイスも、89年生まれと香川と同世代。不動の右SBである古株のウカシュ・ピシュチェクは85年生まれなのである。ベテランが軽視されているわけではない。
実際のところ、本人のアピール不足もあるように思う。チャンスは多くはなかったが、ゼロではなかった。それをつかめなかったのだ。
たとえばチームが7-0で大勝した第5節ニュルンベルク戦。香川は62分から途中出場し、その後に3点が決まっているのだが、香川自身は無得点で、アシストもできなかった。試合後の香川は、得点につながる動きや、味方からの信頼の重要性を痛感していた。絶好のタイミングで、別の選手にパスが送られたからである。
その後、ツヴァイテ(2軍)に加わり、先発した11月6日の4部ロートヴァイスエッセン戦。チームは5-0で大勝し、香川は4アシストしているものの、無得点だった。さらに11月16日、3部のロッテとの練習試合では、チームは3-2で勝利し、香川は全3得点をアシストしている。この試合で、調整が必要だったパコ・アルカセルは、当然のように得点している。
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