香川真司抜きでモナコに完勝。
ドルトムントの「超速路線」が結実 (3ページ目)
このところのドルトムントの戦いぶりは、リーグ戦第5節でニュルンベルクに7-0で大勝、第6節はレバークーゼンに2-4の逆転勝利、そしてこのモナコ戦と、安定感を増してきた。
特徴的なのは、途中出場の選手も含めて、どのポジションの選手もスピードがあることだ。最終ラインでさえ、CBのザガドゥやマヌエル・アカンジは、そのスピードのおかげでいくつかモナコのチャンスを潰すことができていた。
それに加えて、2列目のヴォルフもサンチョもプレスの労を惜しまない。ボランチのトマス・デラネイ、アクセル・ヴィツェルもフィジカルコンタクトに強く、汗かき役に徹することができる。それだけでなく、ヴォルフはゴール前でも仕事をする。
以前にも、香川はチームメイトのスピードへの対応に苦労したことがあった。ただそのときは、前線のオーバメヤン、デンベレ、ロイス、ヘンリク・ミキタリアン(現アーセナル)といった選手たちのスピードとどう関わるかという意味での苦戦だった。
だが現在は、前線だけでなく、どのポジションにもスピードのある選手が優先的に配置されているように見える。ドルトムントは今後しばらくの間、メンバーを入れ替えながらも、フレッシュで勢いがあるこのサッカーでいくことになるだろう。仮に負傷していなくても、香川にとってはポジション争いという意味で苦しい状況だ。
ユルゲン・クロップ(現リバプール監督)の退任以降、ドルトムントはさまざまなトライを続けてきた。そんななかで、今回は、監督からはっきりと新しい方向性が打ち出されており、それは成功に向かっている。願わくばそこに香川が絡んでいくことができれば......。変わりゆくチームで、香川はどのように立場を取り戻していくのだろうか。
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