新旧W杯王者がいきなり激突。
UEFAネーションズリーグって何? (2ページ目)
大会方式は次の通り。まずUEFAに加盟する55協会の代表チームがUEFAランキングによって、A〜Dの4つのリーグに分けられ、各リーグのなかでさらに4つのグループに振り分けられる。
最上位のリーグAと次点のBには12チーム、リーグCには15チーム、リーグDには16チームが属し、各々に3、4チームで構成される4グループができあがる。今年の9〜11月に行なわれるグループステージでは、それぞれがホーム&アウェーで対戦。リーグAの4つの首位チームが最終ラウンドへ進出し、来年6月に準決勝、3位決定戦、決勝のミニトーナメントで優勝国を決める。リーグB以下のそれぞれ4つの首位チームは、次に開催される2021−22シーズンに上位リーグへ昇格。リーグA〜Cの各4つの最下位チームは降格する。
今年1月に行なわれた組み合わせ抽選の結果、冒頭の豪華な対戦カードや死のグループがいくつも生まれた。トップレベルのリーグAには、フランス、ドイツ、オランダが同居するグループ1や、スペイン、イングランド、クロアチアがしのぎを削るグループ4がある。リーグBのグループ1にはチェコとスロバキア、リーグCのグループ4にはセルビアとモンテネグロと、かつて同じ国だったチーム同士による因縁の対決も予定されている。
すべてのリーグで、各チームはレベルの近い相手と勝ち抜けや昇降格をかけて対戦するため、間違いなく試合は白熱するはずだ。試合の日程は、もともと組まれていたフレンドリーマッチのスケジュールと入れ替わるだけなので、代表戦の試合数は増えないが、親善試合ではなく真剣勝負が毎回行なわれるのだから、大方の人々に歓迎されている。
懸念点としては、この大会がEUROの出場権争いも兼ねていることか。ネーションズリーグのグループを制したチームは、EUROへの切符をかけたプレーオフに参加できる。各リーグ、4つの首位チームがミニトーナメントを行ない、最後まで勝ち抜いた4チームがそれを手にする。つまり、ジブラルタルやコソボ、サン・マリノといった小さなチームが居並ぶリーグDからもEURO出場国が生まれるのだ。
主要大会への間口が広がると必ず、格式が下がるのではないかという意見が聞こえるが、それは今に始まったことではない。そもそもEUROは前回大会から、予選参加国の約半数の24チームが出場できるものとなったし、W杯は2026年大会から48カ国で争われる。拡大路線は時代の要請でもあるのだろう。
だからここはあまり難しいことを考えずに、欧州の代表チームによる数々の熱戦を純粋に楽しむのがいいのではないか。まずは、ロシアでまさかのグループリーグ敗退を喫して地に堕ちたドイツが、ホームで世界王者フランスにどう対抗するのか。面白くないわけがない。
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