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高額報酬だけじゃない。ロナウドが
ユベントスを選んだ本当の理由 (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 そこで彼は探し始める。彼の望みをすべてかなえてくれるチームはどこか。バロンドールにふさわしい高額な報酬を払えて、絶対的なスターでいることができ、世界のトップに君臨できるチームはどこか。

 プレミアリーグはまずない。「マンチェスター・ユナイテッドに骨をうずめる」と言っていたのにレアルに移籍した彼は、イングランドでは裏切り者扱いだ。フランスはPSGなら世界を狙えるが、ネイマールやエディンソン・カバーニのいるチームでは、唯一のスターにはなれない。

 そこでロナウドがたどり着いた答えが、イタリア・セリエAのユベントスだった。資金は豊富で、チャイナマネーやオイルダラーではなく、オーナーは生粋のヨーロッパ人で伝統もある。国内ではリーグ7連覇を達成して記録を更新中と、圧倒的な強さを見せている。

 近年、ユベントスはチャンピオンズリーグ(CL)ではあと少しのところで優勝できていないが、それもロナウドにとっては好都合だ。彼が加入してCLで優勝すれば、その名声をより高められるというものだ。チームの旗印となるビッグスターはいないし、リーダーだったGKジャンルイジ・ブッフォンもチームを去っている。そして、忘れられないユベンティーノのスタンディングオベーション。ロナウドにとって、ユベントスはすべてが理想的だった。

 こうしてユベントスに狙いを定めると、彼はロシアに向かい、33歳になってもその力に陰りがないことをW杯で証明してみせた。それがスペイン戦のハットトリックだ。レアルには、彼らが失うものの大きさを再認識させ、ユベントスには自分の偉大さを知らしめた。「C・ロナウドは終わった、レアルから出ていくのはもう年だからだ」などとは誰にも言わせない。

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