通好みの「中盤力」でフランスが勝利。
それでも不安が漂うのはなぜか
ロシアW杯準決勝第1戦は、フランスがセットプレー(コーナーキック)で得た1点を守り抜き、ベルギーに辛勝した。
サミュエル・ウムティティのゴールを守り抜いて決勝進出を決めたフランス 少なくとも完勝ではなかった。フランスとベルギー。両国の立ち位置はそれぞれ、優勝候補とそれを追う第2グループということになる。強者はフランスでベルギーはチャレンジャー。しかし、その差はわずかだ。サッカーの特性に照らせば、差はあってないようなものだ。
ベルギーの布陣を見てそう思った。4-2-3-1。マイボール時には右サイドバックのナセル・シャドリが高い位置に張るように構え、3-2-4-1気味になる、3バックと4バックの可変式だ。前戦のブラジル戦で見せた布陣とは少し異なるものの、チャレンジャー精神を感じさせる攻撃的な布陣である。
ブラジルはその波に飲みこまれた。フランスも危ないのではないか、という読みは的中した。フランスは立ち上がりから一方的に攻め込まれた。開始11分まで、ベルギーゴールに攻め込むことさえできなかった。フランスは明らかに面食らっていた。ベルギーの全容を掴みかねている様子だった。
とりわけフランスが手を焼くことになったのはエデン・アザールだ。左サイドにウイング然と張って構える彼に、そこでポイントを築かれ、さらにドリブルで内へ切り込まれて、慌てた。16分、19分には、決定的なシュートを浴びる。もしこれが決まっていたら、結果は違ったモノになっていたに違いない。
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