ブラジル記者が「W杯3大スター」を採点。あの選手の男気に惚れた! (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon  利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

アイスランドに引き分け、自身もPKを外したリオネル・メッシ photo by JMPAアイスランドに引き分け、自身もPKを外したリオネル・メッシ photo by JMPA しかし両者が異なったのは、こうしたプレッシャーを受けながらも、ロナウドは奮起したが、メッシは後ろを向いたことだ。ロナウドは誰も手伝ってくれないなら自分がやるしかないと腹をくくったが、メッシは、自分はすべての責任を負わされた犠牲者だと感じてしまった。

 アイスランド戦のメッシには20点という低い点数しかつけられない。PKを外したからではない。彼がチームを率いなかったからだ。背番号10に、キャプテンマークにふさわしい仕事をしなかった。彼は終始いらだった様子で、だからこそPKも決めることができなかったのだろう。

 この試合の前に、メッシはアルゼンチンのラジオ局のインタビューに「あまりにも多くのプレッシャーをかけられることに、僕はもう耐えられない」と、ロシアW杯を最後に代表から引退することを示唆している。

「僕はこれまで常に全力を尽くしてきたし、代表の勝利のために誠心誠意プレーしてきた。勝てないからといって、僕たちが手抜きしたわけでは決してない。それなのに、人々はそうは思わない。だからもう代表には戻りたくないと思ったんだ。

 しかし、今のアルゼンチン代表が本気でロシアで優勝したいと思っているのを知って、僕はその挑戦をともにすることにした。だから、もしここで優勝しなければ、もう次はないと思っている。別に代表チームを見捨てるわけではないが、これまで僕は十分にチームのために頑張ってきた。だからもう、あとに続く選手たちに場所を譲りたいと思う」

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