CL決勝を待ちきれない3人が、
ジダンとクロップの戦術を夜通し語る (4ページ目)
小澤 確かにその可能性もありますね。マドリーとしてはそれほどポゼッションにはこだわらずに、2トップにして相手CBの2人であるデヤン・ロヴレンとフィルジル・ファン・ダイクに対して常に2対2をつくってカウンターを狙えるかたちを見せておく方が、逆にリバプールにとっては嫌かもしれないですね。
ここにきてベンゼマとベイルのコンディションは共に上がっているので、ロナウドがそれほど守備をしなくても、彼らが左サイドに流れてそれをカバーできるでしょう。
倉敷 攻めて消すか、守って消すか。リバプールの3トップ対策には3人が守備に追われるよう仕向けるやり方もあります。たとえばマドリーの中盤が高い位置をとって、リバプールのSBとCBの間を脅かし続ける方法は効果的ですか?
中山 確かにそうなると、リバプールはエースのサラーを活かせなくなりますね。ただその場合、クロップはロベルト・フィルミーノとサラーのポジションを入れ替えて、サラーを1トップの位置に張らせておくという対応策を打ってくると思います。
小澤 いずれにしても、マドリーはマルセロが守備バランスを考えてサラーをケアするために低い位置に閉じこもるようなことはないでしょう。そもそも守備面では耐久性の低い選手ですし、マルセロが上がったとしてもカバーリングのエリアとスピードなら世界屈指のCBであるセルヒオ・ラモスが控えています。セルヒオ・ラモスがカバーリングに出た時はカゼミーロが最終ラインに入って補完するという形ができ上がっていますから。
逆にリバプールはサラーとフィルミーノが前線に攻め残りをしていて相手の攻撃を受ける時、相手のサイドバックの上がりに対してトレント・アレクサンダー=アーノルドやアンドリュー・ロバートソンといった経験値の低いSBが、数的不利な状況にうまく対処できないという問題があります。
準決勝のローマ戦を見てもそうですが、その場合は中盤のジョーダン・ヘンダーソンやジョルジニオ・ワイナルドゥムらがサイドに流れて対応するかたちになってしまい、どうしても中央にスペースを空けてしまうという問題が発生してしまいます。
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