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乾貴士が誇るエイバルのサッカー。
敵将ジダンも「すばらしい」を連発 (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi Photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 34分の先制点は、アナイツ・アルビージャの軽はずみな縦パスをルカ・モドリッチに奪われると、左サイドに展開され、クリスティアーノ・ロナウドがGKと1対1に。84分の勝ち越し点は、ペドロ・レオンのパスをダニエル・カルバハルがカット。右サイドで組み立て直され、完璧なクロスを上げられると、ドンピシャな打点のヘディングでネットに突き刺された。

 乾が振り返る。

「レアル・マドリードとエイバルにチームとしての力の差はある。けど、そんなこと言っていたら、いつまでたっても勝てない。個人の差はある。それは認めざるを得ない。ただそれを補えるチーム力がエイバルにはあるので、そこで何とか勝ちたかったです。

 自信は持っているし、このサッカーのやり方が間違っていないってみんな思っていると思う。これを突き詰めて、もっとよくしていくしかない。もちろんいいサッカーができたし、レアルを困らせることはできた。それに関しては満足しているけど、せめて引き分けにしたかった。勝ち点1と勝ち点0では全然違うので。たった1かもしれないけど全然違う。その1だけで、サポーターはもっと喜んでくれると思います」

 今回もエイバルは強豪レアル・マドリードの前に敗れた。だが、いまエイバルが見せているサッカー、ホセ・メンディリバル監督のもとビッグクラブにも引けをとることなく戦えているコンパクトなプレッシングサッカーは、イプルアのスタジアムに記載されている"Another football is possible"のスローガンを体現するものだ。

 結果こそ手にすることはできなかったが、それは多くの人を魅了するサッカーである。少なくともそう感じさせる試合でもあった。

◆代表ウイングの起用。乾、小林悠がいても、ハリルは原口、浅野なのか>>

◆オファーはJ3クラブのみ。その時、播戸竜二は初めて「引退」を考えた>>

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