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マンC史上最高額でCB。グアルディオラの
「お買い物」は吉と出るか (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Victoria Haydn/Getty Images

「超」が付くほどの攻撃的フットボールを信奉するグアルディオラは、左センターバックには基本的に左利きを求める。右足でボールを晒さずに持てることで、危険を回避できるし、より広くピッチを使える。左足キックは右サイドにボールを蹴り込むのにも体を開かずに済み、左から右にボールを動かすプレーを自然にできる。ボールの軌道がスムーズになることで、攻撃の選択肢が増えるのだ。

 ただし、左利きセンターバックは少ない。

 そこでシティでも、最初にラポルトとの契約が破談になったときは、左利きサイドバックのアレクサンダル・コラロフをコンバートしている。実はバルサ時代もグアルディオラは、左サイドバックのエリック・アビダルを、バイエルン時代もダビド・アラバを左センターバックとして抜擢。結局、バルサでは右利きのハビエル・マスチェラーノを起用する機会が多かったが、それは左利きのガブリエル・ミリートがケガで長期離脱したからだ。

 グアルディオラはシティで、右利きのニコラス・オタメンディを鍛え上げている。オタメンディは4バックの左センターバックとして、今や盤石のプレーを見せる。ただ、「勝っているチームはいじらない」は定石だが、スペイン人指揮官はそんな常識に囚(とら)われない。ラポルト加入によって、指揮官は開幕当初、ひとつの基軸にしていた3-3-2-2システムを再び選択肢に入れることができる。戦術システムの革新もあるかもしれない。

 とはいえ、ラポルトは国際経験が乏しく(フランス代表での出場歴はない)、どこまで順応できるかは未知数。気性の荒さは長所であり、短所でもある。シーズン途中で異国のリーグに慣れるのは骨が折れる仕事だ。

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