リーズが井手口陽介を獲得する理由を、フロントの藤田俊哉に聞いた (5ページ目)

  • 中田徹●取材・文・撮影 text & photo by Nakata Toru

 井手口もイングランドに順応してほしい。日本のサッカーはデュエルに関して、まだレベルに達してないという見方を変えてもらいたい。岡崎慎司と吉田麻也はもう、そのレベルに達している。だから、「このふたりはすごい!」。

―― クラブの補強リストには、井手口選手以外にも日本人選手はいたのですか?

藤田 いた。ひとりは金額が合わなかった。他のふたりは若くて有望な選手だけども、日本代表経験がなかった。英国の労働ビザを取得してリーズに加入する、という前提からすると難しかった。今のイングランドのことを考えたら、もちろんサッカーもあるけど、ビザの問題も考えていかないと移籍の可能性がない。

―― まずは労働許可ありき、となりますね。

藤田 言葉にしたらおかしいけれど、それがイングランドの現状だから。もしかしたら、選手の選考のほうが簡単かもしれない。

―― たしかに。対象となる選手が絞られますよね。

藤田 それは今だから僕もわかること。いくら自分たちが準備したって、FIFAランキング50位以下になっちゃったら(労働ビザ発給の問題で)無理となる。結局、日本は強くなくちゃいけないということ。

―― 「FIFAランキングはチームの実力を反映してない」という批判もありますが、日本人選手の移籍の可能性を広げるためにはランキングを上げることも真剣に取り組まないといけないと。

藤田 そう。FIFAランキング57位の現状では、今どんなにいい選手が日本にいても、イングランドでは話が先に進まない。

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